フィリピン移住の魅力

日本でのリタイア生活は安心感がある一方で、高い物価と孤独感に悩む方も少なくありません。
フィリピン移住の3つのメリット:
- 温暖な気候:年間を通して暖かく、冬の寒さによる体調不良の心配が少ない
- リーズナブルな生活費:日本の約半分から3分の2程度で快適な暮らしが可能
- 温かい人間関係:家族を大切にする文化で、コミュニティの繋がりが強い
フィリピン移住の最大の課題:医療費リスク

夢の海外生活ですが、忘れてはならない現実的な課題があります。それは、フィリピンには日本のような国民皆保険制度が存在しないという点です。 医療サービスを受けた場合、原則として費用は全額自己負担となります。
万が一、大きな病気や事故に見舞われた場合、高額な医療費(数十万円から数百万円規模になることも)が請求されるリスクは決して低くありません。 安心してリタイア生活を送るためには、医療への備えが最重要課題と言えるでしょう。
実際のフィリピン医療費事例
治療内容 | 費用(ペソ) | 日本円換算 |
---|---|---|
盲腸手術+3泊4日入院 | 約22万ペソ | 約55万円 |
肺炎による1週間入院 | 約30万ペソ | 約75万円 |
骨折手術+リハビリ | 約40万ペソ | 約100万円 |
入院1回で年金数ヶ月分が消えてしまうリスクは、リタイア生活計画において無視できない重大な問題です。
※上記日本円換算額はあくまで目安です。為替レートにより変動します。
HMO型医療保険とは?

フィリピンで広く利用されている民間医療保険の形態が「HMO(Health Maintenance Organization)」です。
特にリタイアメント移住を考える際には、入院や手術費用だけでなく、日常的な風邪の診察や健康診断などの外来診療もカバーするプランを検討することをおすすめします。
HMO型保険の主な特徴
- 年間契約の掛け捨て型:1年ごとに更新する形式
- 幅広い医療費をカバー:プランによって外来診療も含まれる
- キャッシュレス診療:提携病院では窓口支払い不要
- 年間給付上限あり:プランによって10万ペソ〜無制限
日本の健康保険と大きく違う点があります。
HMOは月会費制で、提携先の病院・クリニックで医療を受けられる会員サービスということです。
何のことか分かりにくいと思いますが、申し込むHMOの保険会社によって使える病院が異なります。
大病院の場合はどこのHMOでもほぼ使えますが、先生によって使える保険会社が変わる場合があります。
例1:AクリニックはMaxicareしか使えない。Bクリニックは3社が使えるなどの場合があります。
例2:セブドクターズという大病院でもA先生はC社の保険しか使えない、B先生は・・・ということがあります。
受付で必ずHMOの保険を見せる必要があります。受付が保険対応できる先生を紹介してくれます。
おすすめは「外来診療込み」のプラン
日常的な診療から大きな手術まで幅広くカバーするため、総合的な医療の安心を得られます。
📊 主要HMO保険会社比較(2025年最新版)

外来診療込み・40万ペソ(約100万円)カバープラン月額料金比較
年齢層/主な保険会社 | Maxicare Platinum Care | Pacific Cross MedAsia Plus | Intellicare Premium |
---|---|---|---|
60代 | 20,000〜25,000円 | 18,000〜22,000円 | 17,000〜21,000円 |
70代 | 26,000〜32,000円 | 24,000〜30,000円 | 22,000〜28,000円 |
80代 | 40,000〜50,000円 | 45,000〜55,000円 | 加入条件あり・応相談 |
節約プランの選択肢: 外来診療なしの入院・手術中心プランなら月額12,000円〜18,000円程度に抑えられますが、通常の診療は全額自己負担となります。
日本とフィリピンの医療費負担比較

日本の場合
- 健康保険料:月1.5万〜2.5万円
- 医療費自己負担:1〜3割
- 高額療養費制度あり
フィリピンHMO加入の場合
- 月額保険料:1.7万〜2.5万円(外来診療込みプラン)
- 医療費自己負担:カバー上限内ならほぼゼロ
- カバー上限を超えた場合は全額自己負担
- 薬代は保険でカバーできないので自己負担
「医療へのアクセスと安心を確保するための費用」という観点で見ると、月々の負担額には大きな差がないように見えるかもしれません。ただし、日本の公的保険とフィリピンの民間保険では、保障の範囲、利用できる医療機関、手続きなどに違いがある点も理解しておく必要があります。
👨👩👧👦 実体験に基づく教訓

成功事例:Aさん(67歳男性)
盲腸手術と4日間の入院で総額55万円の医療費がかかりましたが、Maxicareの外来診療込みプランに加入していたため、高額な自己負担をほぼ避け、薬代の5000円程度だけで済みました。
失敗事例:Bさん(65歳男性)
「若いから大丈夫」と保険未加入のまま滞在。突然の肺炎で75万円の医療費が発生し、日本への緊急帰国を余儀なくされました。貯蓄の大半を医療費に使ってしまい、リタイア計画の見直しを迫られました。
まとめ:医療保険選びは未来への投資

- フィリピンでのリタイア生活では医療保険加入が必須
- 外来診療込みのHMOプランが総合的な安心を提供
- 年齢・予算・健康状態に合わせた最適なプラン選びが重要
次のステップ
- 複数のHMO会社から年齢・健康状態に応じた見積もりを取る
- 予算に合わせてプランを選択(外来診療込み vs 入院中心)
- 渡航前または現地到着直後に加入手続きを完了させる
注意: この記事は2025年4月時点の情報です。最新の料金や保障内容は各保険会社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q: 既往症がある場合も加入できますか?
A: 基本的には加入可能ですが、既往症関連の治療は保障対象外となる場合が多いです。詳細は各保険会社にご相談ください。
Q: 一時帰国中の医療費はカバーされますか?
A: 原則としてフィリピン国内の医療費のみがカバー対象です。日本滞在中は国民健康保険または旅行保険の活用をお勧めします。
Q: 主なHMO型保険会社は?
A:主要なHMO保険会社 (セブを含むフィリピン全土で展開):
・Maxicare Healthcare Corporation: https://www.maxicare.com.ph/
・Pacific Cross:https://www.pacificcross.com.ph/
・Intellicare (Asalus Corporation): https://www.intellicare.com.ph/
・Medicard Philippines, Inc.: https://www.medicardphils.com/
・PhilCare (PhilhealthCare, Inc.): https://www.philcare.com.ph/

保険会社は他にもまだまだあるよー
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